なかなか寝れない時の対処法

早く寝たいのになかなか寝れない時ってありませんか?

焦って寝ようとしても寝れなかったり、気が付いたら時間だけが経っていて不安になる時ってありますよね。

出来ればすぐにでも寝たい!と考えている人の為に、寝れない原因や、寝やすくなる方法など、睡眠についてご紹介したいと思います。

今後、なかなか寝付けない時に試してくださいね。

なぜ睡眠がうまく取れないのか?


生き物にとって、睡眠とは脳や体の健康を維持する為の重要な休憩時間です。

人は、睡眠中に心身を休めると同時に、脳内ではその日あった事の情報処理も行っています。ですが、なかなか寝付けない時があるのも事実です。

そんな時、脳や体ではいったい何が原因で寝れなくなっているのでしょう?


ストレスによる影響

睡眠に入る際に、一番大きな原因としてはストレスによる影響です。
人は日々の生活の中で多くのストレスを感じて生きています。その中でも職場や家庭での人間関係やミスなどを考えてしまう事で、不安に襲われストレスとなりなかなか寝付けない事が原因となります。

よく起こるのが、負の感情のループになります。

就寝前のカフェイン

コーヒーや紅茶など、自宅でくつろぐ際に好んで飲む人もいるかと思いますが、これらのドリンクにはカフェインが含まれており、その効果としては、中枢神経系を興奮させることによる覚醒作用や利尿作用などがあります。

その為、遅い時間でのカフェインの摂取により、興奮効果が起こり、寝付けなくなるといった事が起こったり、夜中に起きてしまう可能性があります。

寝室の環境

寝室の環境はとても重要な要素です。良質な睡眠には欠かせない条件となりますので、あなたに合った物を揃える事で効果も上がってきます。

ポイントとなるアイテムとしては、アロマオイルで嗅覚から睡眠を誘う事が可能です。嗅覚は五感の中でも唯一直接脳に影響を与える事ができる感覚であり、鼻から直接で大脳辺縁系に伝わるので即効性があります。

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照明からの光

また、人間の視覚情報も睡眠に大きな影響をもたらします。

睡眠に関して重要になってくるのがメラトニンになります。メラトニンは、脳の松果体で合成されるホルモンで、夕方から夜にかけて分泌が増加し始めます。具体的には、20時頃から分泌が高まり始め、真夜中にピークを迎えます。

そんなメラトニンですが、睡眠前に強いLED照明の光を見てしまうと抑制されてしまいます。その為寝室に入った際には、関節照明で部屋全体を暖色に切り替え、刺激を抑える事で、睡眠導入効果を上げる事ができます。

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生活リズムの影響

あなたは体内時計という言葉を聞いた事がありますか?
人間は同じルーティーンを繰り返す事で、感覚的に反応する事ができるのです。これと同じように、人間には生活のリズムがあり、そのリズムが安定する事で、体は自動的に睡眠モードに入っていきます。

これを利用して、同じ時間で起き、同じ時間に寝室に行く事で、自動的に安定して睡眠に入る事ができるようになります。

寝れない事による影響


本来人間は、睡眠により身体の疲労を軽減しホルモンバランスなどを保っていますが、現代の日本では睡眠時間が諸外国と比べると極端に少なく、休息がうまく取れていないのが実情です。

引用:公益財団法人結核予防会

このグラフは2018年のデータであり多少過去の物にはなりますが、グラフを見ると、日本の睡眠時間は驚くほど短く、休息がとれていない事が解ります。

この場合、あなたへの影響はどのようなものがあるのでしょうか?

身体への影響


早速ですが、あなたは睡眠不足の日が続いた場合に、どういった問題が起こるのかをご存じですか?
ここでは、人間の睡眠不足による体調への影響をご紹介します。

免疫機能の低下

人間の体内にはNK(ナチュラルキラー)細胞が存在し、侵入してきたウイルスに対して攻撃をしていますが、睡眠不足が続く事で、機能が低下します。

また、免疫細胞が産生するタンパク質の生成が減少し、感染症に対する抵抗力が弱まり、少しの気温変化などで風邪を引きやすくなります。

ホルモンバランスの乱れ

睡眠が不足している場合、視床下部の機能や自律神経系が乱れ、ホルモン分泌全体に影響を及ぼします。 これにより、脳や自律神経の機能低下という悪循環が起こりやすくなります。

また、食欲を抑えるレプチンの分泌が減少し、食欲を高めるグレリンの分泌が増加し肥満になりやすい状態と言われます。

疲労回復の遅れ

睡眠不足で起こる影響として、体内時計の乱れや、疲労の蓄積が起こります。1日だけだからと思っていても、翌日以降のルーティンに影響が起こったり、疲労が蓄積される事などがある為、侮らないようにしましょう。

また、数日間睡眠不足が続く場合は、あなたの体力だけでなく思考力にも影響が出る可能性がありますので、出来るだけ時間の調整を行い睡眠時間を確保するようにしましょう。

引用:山本労働衛生コンサルタント事務所

こちらのデータでは、睡眠不足と疲労の蓄積に関するデータとして、精神運動覚精度検査(PVT)が用いられています。

PVTは、被験者がボタンを押す反応時間を測定し、睡眠不足や疲労度を客観的に評価する方法です。この検査では、短時間睡眠を続けると反応時間にバラツキが生じ、遅延反応が増えることが示されています。

精神への影響


睡眠不足による影響は、身体的な影響だけではありません。どちらかと言えば精神的なダメージの方が影響が大きく、回復までに時間が掛かってしまいます。

ストレスの増加

睡眠不足が続いてしまった場合、ストレスホルモンであるコルチゾールが増加し、慢性的に高い状態が続く場合は、免疫機能にも影響がありますが、最も危険視すべきは、ネガティブな情動刺激に対して脳が過剰に反応しやすくなります。

特に、扁桃体という脳の部位が活発化し、情動の制御が難しくなることが報告されています。

繊細さん(HSP)の場合は、更に過敏になり、ネガティブ思考が強くなる可能性があるので、十分注意が必要です。詳しくは、下部にある感情の不安定をご覧ください。

認知機能の低下

睡眠不足は、脳内にアミロイドβという異常タンパク質の蓄積を促進します。
このタンパク質はアルツハイマー型認知症の原因とされており、認知機能の低下に直接的な影響を与えます。


参考資料:AXA 人生100年の歩き方

米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のRebecca Robbins氏らは2,812人のデータを用いて睡眠不足や睡眠障害と認知症の関連について検討し、睡眠時間が5時間未満の高齢者では、睡眠時間が7〜8時間の高齢者と比較し、認知症の発症リスクが約2倍あるということでした。
これには睡眠不足が認知症の初期症状である可能性も否定できませんが、認知症のリスクであることには間違いないと考えます。

引用:おばた内科クリニック

感情の不安定

この件に関しては、ストレスの増加でもご紹介しましたが、睡眠不足は扁桃体腹側前帯状皮質との機能的結合を弱めます。

扁桃体
側頭葉の内側に位置する神経細胞の集まりで、脳内の情動の中枢として機能する器官です。アーモンドのような形をしており、大脳辺縁系と呼ばれる情動に関連する回路の主要な構成要素のひとつです。

扁桃体は不安や恐怖、怒りなどのネガティブな感情を制御する部位であり、睡眠不足によりこれらの感情が増幅されやすくなります。

腹側前帯状皮質
大脳半球内側面の前方部に位置する前帯状皮質の領域で、情動に関わる機能を担っています。

これらの結びつきが弱まる事で、増加した扁桃体の活動量を処理する事が追い付かなくなり、感情処理能力が低下し、感情の不安定が起こりネガティブ思考に敏感に反応するとされています。

参考資料:科学技術振興機構

寝れない時の対処法


あなたも経験があると思いますが、寝なければいけない時に限って寝れないなど、いざという時に限ってなかなか寝れない時ってありますよね。

そんな時の為に、ここからは寝やすくなる方法をご紹介したいと思います。

考える事をやめる

さぁ寝ようと思った際に、その日あった事や今抱えている悩みを考えてしまうのとがあると思いますが、その考えるという行動は、多くの場合悩み不安などが関係していたり、ストレス元の事を思い出したりしていませんか?

それこそが原因となります。

対策としては、その様な事はなるべく考えず、良かった事やその日達成できた事だけを思い返す時間にしましょう。

今日は〇〇が出来た!」・「今日は○○が良かった」などポジティブな事がいくつあったかを数えて思い返すようにしてみましょう。

リラックスできる空間を作る

寝室の環境を整える事はとても重要な要素となります。睡眠は翌日のパフォーマンスの向上に繋がりますので、環境を整える事は、人生全体に対する効果の向上に繋がります。

今回のように、今すぐに寝たいと考える時は、事前に準備してある場合に限りますが、アロマオイルを使用する事をお勧めします。

嗅覚は、五感の中で唯一脳に直接効果を与える感覚器官になる為、即効性が期待できます。お勧めの香りはラベンダーですが、人によって好みが違いますので、下記にあるセットなどを使用し一度自宅で試してみて、あなた自身が落ち着くと感じるものを選んで見つける事も楽しみの1つになりますね。

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ヨガやマインドフルネスを行う

ヨガを行う事は、自身の問題と向き合う事や、体のリラックスだけでなく、呼吸法による心のリラックスや、ストレス軽減なども行えます。

マインドフルネスでは、「今この瞬間」に意識を集中させることで、ストレス軽減や感情のコントロールを通じて精神的な健康を改善することで、心の安定や集中力の向上も期待されます。

また、これらの行動を睡眠前に行い習慣化する事で、体が睡眠の準備と認識し、自然に寝る体制に入っていきます。
詳しくは、こちらを参考にしてくださいね。


少し体を冷やす

睡眠に入るメカニズムとして重要な事ですが、体温の変化に注目しましょう。

人間は睡眠に入る時に、布団の中で暖かさを感じて安心感を得ます。その際に少し汗をかき、体温を下げると同時に入眠します。

この時になかなか寝れないと、熱いと感じ寝にくくなってしまいます。そこで、一時的に布団から出て体温を下げ、リセットしてからもう一度入眠する方法が効果的です。

その際に、かるくストレッチなどをすると気分が変わるのでおすすめです。


読書をする

良く睡眠前に読書をするといった方を聞きますが、読書には眠たくなる理由があります。

読書とは一般的に字を読むといった単純作業になる為、その行動になれてしまい眠くなる効果と、文章が段落ごとに区切られている為、達成感により満足し眠れるといった意味があります。

また、読書によって脳が活発に活動すると、「アデノシン」という物質が蓄積されます。アデノシンは脳が活動すると増え、眠ると減る物質で、これが眠気を引き起こす原因となります


デジタルデトックスを行う

上記でもお伝えしたように、睡眠と光の関係はとても高く、スマートフォンのように光を発するデジタル機器に関しては、直接的な影響があります。
特に、メラニンの生成が抑制され、入眠しにくい状態になってしまいます。

その為、最低でも睡眠1時間前には出来るだけパソコンやスマートフォンなどは見ないようにし、寝室の照明もなるべく暖色系の間接照明にする事がお勧めです。

就寝直前は間食を控える

睡眠前の間食は、胃が活発に動いてしまい、入眠しにくくなるだけでなく、血糖値の上昇を引き起こし、脳が活性化されてしまう為、極力避けましょう。

また、体内時計が乱れる事で、睡眠の質が落ちてしまう事や、エネルギーの消費を行おうとして体が目覚める事により、入眠しにくくなります。

その為、食事は出来るだけ、睡眠3時間前までに行うようにしましょう。

睡眠に入る為のルーティーンを決める

人間は、安心感を得る為や、物事を考える手間を省く為に、本能的にルーティン化をし、行動を楽にしようとする習性があります。

この行動を利用して、毎日寝る前の行動を統一する事で、入眠をしやすいように心構えをさせせる事も良い行動です。

例えば、就寝前にヨガを行ったり、ストレッチをするなど、一定の行動条件を付ける事で、睡眠がしやすくなります。

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入浴方法を整える

入浴方法にも良質な睡眠のためのポイントがあります。

あなたの周りにも熱いお湯に入るのが好きな方がいるかもしれませんが、これは基本的におすすめできません。

一番のお勧め方法としては、就寝の約1~2時間前に38~40℃のお湯に10~20分浸かる方法になります。この方法は、身体の疲れを癒し、血流が改善され、活性酸素の除去のも効果があり、リラックスする事ができます。

そして、体温が落ち着く1~2時間後が入眠に最適と言われています。

また、おすすめの入浴方法についてはこちらを参考にしてください。


まとめ


今回は、なかなか寝れない時の対処法をご紹介しました。

入眠がうまくいかない理由は主に、ストレス・悩み・就寝前のカフェイン・就寝環境などが原因の場合が多くありますが、原因さえわかれば対策は可能です。

また、睡眠不足が影響で起こる問題も把握しておくことで、今後の知識となり、睡眠の重要性の理解度が深まるでしょう。

これらの方法をあなたに合った形で行う事で、入眠する為の対策となり、なかなか寝れない時に効果を発揮すると思いますので、今晩から試してみて、いざという時の対策を始めてみましょう。


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