今、管理職に求められる安全と心のマネジメント
管理職になった方なら、1度は悩む事になるのが、部下のモチベーションやチーム全体の雰囲気ではないでしょうか?
これまでは、業務を回す事が仕事の中心であり、問題なく進める事が重要と言われてきましたが、近年では、「社員が安全に・健康に働ける環境を作る事」が管理職に求められる時代になりました。
実はその土台になるのが、今回のテーマである OSHMS なんです。


OSHMSとは? 基本構造をやさしく解説
OSHMSは、職場の安全と働く人の健康を守る仕組みのことです。
英語では Occupational Safety and Health Management System(オキュペーショナル・セーフティ・アンド・ヘルス・マネジメント・システム)
あまり馴染みのない言葉ですが、やっていることは意外とシンプルなんです。
以前開催された某企業の安全大会では、労働基準監督署の方が子供の通学路と大型犬との遭遇率に例えていました。
(個人的にはカーナビの方がしっくりきましたが...)

- どこに危険があるのか
- どの道を通れば安全なのか
- 誤った方向に行っていないか
- 必要ならルートを修正する
OSHMSは、この安全と健康のカーナビを職場に導入して、事故やメンタル不調を未然に防ごうとする考え方です。
OSHMSの基本は「PDCAサイクル」でまわる
PDCAサイクルは、職場をより安全・健康的にしていくための改善ループです。

なぜ今、企業にOSHMSが必要なのか?
企業がOSHMSを押さえておくべき理由は、大きく3つあります。
この3つを押さえておく事で、1歩踏み込んだ知識の持ち主になるでしょう。
メンタル不調が増え、社員の流動性が上がったから
近年、メンタル不調者の数は増加傾向にあり、最も多い理由は人間関係の不一致や給料・企業の方向性への将来的な不安などになります。


特に近年では人材不足により、有効求人倍率が上がっており、去年は1.25倍となり、今までの「置かれた場所で咲く」思考から、「咲ける場所で咲く」といった流れになった事や、求人情報が簡単に見れるようになったことも流動性が上がった原因と言えます。
これにより、優秀な人財を繋ぎとめ得る事が重要になりました。
有効求人倍率はハローワーク使用者数を基にした数値であり、エージェントなどの求人サービスで仕事を探す人数は含まれていないんだよ。
企業ブランドとリスク管理の視点が重要になったから
上場企業などでは、株主に対して説明責任があり、あまり多くの離職者数が上がれば企業価値が下がってしまいます。
一般企業でも大きな影響があります。それは企業イメージです。
企業が取引を行う際の選定理由の1つが健全な企業か?になります。
例えば、取引先の企業が社会的な問題を起こしてしまい、操業停止になれば、自社でのサービスに影響が出るだけでなく、世間からは同じことをしているのでは?と疑いがかかる可能性があります。
そしてこれは、自社の取引先からも疑われる可能性がありますし、選定を行う際の判断材料にもなります。こうなってしまっては企業価値が下がってしまうリスクがあります。
法令にもとづく責務が強まっているから
労働安全衛生法第3条には、
「事業者は安全と健康を
確保するよう努める」
労働安全衛生法第3条
という責務が明記されています。
管理職は、この責任の一部を担っている立場。
だからこそ、OSHMSを理解しておくことは非常に重要になります。

今日からできるOSHMSの実践ポイント
ここからは、私が実際に行った行動を基に、現場で実際にできることに落としこんでいきましょう。
難しく考える必要はありません。
日常の行動を少し変えることで、OSHMSは動き出します。
職場環境を見える化する
私が勤めていた企業では、担当内容や個人によって残業の偏りがあり、常態化していました。また、業務上での環境関連や、ここ数か月の仕事量の増減を確認する事から始めたのです。
こんなところに危険・負担が潜んでいる

- 同じ人に残業が偏っていないか?
- 常に作業が集中する時間帯がないか?
- 声をかけづらい席・空気になっていないか?
- 期限が重なって、負荷が一気に上がっていないか?
- 物理的な危険(段差・動線・照明の暗さ)が残っていないか?
何気無く仕事をしていたオフィスや社内など、注意して見直す事で意外と見えていない物が見えてきます。
モニターによって会話がしにくい席や、書類棚の転倒防止など注意深く見てみると意外にも多くの問題がみつかりますよ。
5分でいいので職場を一周して違和感をメモしてください。
小さな変化に気付く観察力を育てる

メンタル不調や事故の前には、必ず小さなサインがあります。
人であれば行動や言動など、事故であればマニュアルの不備や劣化など、管理職に求められるのはそれらの変化に気づく力 です。
人の変化に気づくポイント
- 表情が硬くなってきている
- 報告や相談の頻度が減った
- ミスが増えたり集中が途切れがち
- 遅刻・早退・欠勤が増えてきた
- 雑談がなくなり、静かすぎる
こうした兆候は心の問題であり、集中力の散漫から、事故(ケガ、作業ミス)やメンタル不調・離職にもつながりやすくなります。
「相談しやすい雰囲気」を意図的につくる
業務の成功のカギは、チームの協力が必要ですが、これはOSHMSの成功にも関係してきます。
これは、私自身がHSPである事で感じ取れた実態になりますが、心理定安全性が高い環境でこそ、安心してアイデアを提案することや、前向きな行動ができるようになるのです。

話しかける環境としては、わざわざセッティングするような場所ではなく、日常的に会話をしている環境でOK!
むしろ、相手にかまえさせてしまう空間より、日常の何気ない空間のがあいても自然に受け入れやすいのです。
ルール・働き方を負担が少ない形へ調整する
OSHMSのDo(実行)は、職場の負担を整えること です。
改善といっても難しいことをする必要はありません。
日頃「めんどくさい」と感じる事にフォーカスして、どうしたら楽にできるかを考え雑談ベースで提案するのもいいかもしれませんね。

月1回のミニ振り返りで「PDCA」を回す
最初は何から始めればいいか悩むと思います。
しかし、深く考えなくても日常から取り入れる事ができるため、まずは練習として、自分の事から考えてみるのが効果的です。
ポイントは1歩踏み込んでリスクを考える事です。

管理職自身の「コンディション管理」もOSHMS
ここまで読み続けているあなたこそ、真剣にチームの環境を考えている頼れるリーダーの気質があります。
そんなリーダーこそ見落としがちになるのが「あなた自身」です。
OSHMSでは、あなたのようなチームの事を考えてくれる管理職にもフォーカスする事が大切とされています。

小さな行動で大きな安全と成果を得る
OSHMSはあなたのチームと生産性を最大限に発揮する手段です。
しかし、難しい知識や資格が必要な訳ではありません。
あなたのちょっとした意識や行動で、チーム内の心理的安全性が高まり、アイデアが生まれる事で、チーム全体の評価が上がっていく方法です。
🔍見える化
💡変化に気づく
😊相談しやすい空気
⚖働き方の調整
✅振り返り習慣
💖管理職自身のケア
この6つを意識するだけで、事故・メンタル不調・離職といった企業リスクを大幅に減らし、安心して働ける職場づくりがすすみます。
さぁ!これらの方法を明日から試して、あなたを中心とした強いチームを作りましょう。
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